ウィーワーク(We Work)などのコワーキングスペース〈共用オフィス〉は新しいオフィス形態として世界中で定着してきた。女性専用の共用オフィスがニューヨーク、サンフランシスコ、デトロイトなど主要都市でスタートし、注目を浴びている。
昨年秋からセクハラ告発スキャンダルが続発するアメリカ。女性の問題意識はこれまで以上に高まる中、女性による女性のためのワーキングスペースの誕生だ。
ザ・ウイング(The Wing )はニューヨークを本拠にする女性専用の会員制クラブである。
2016年10月にフラットアイロン地区に最初のスペースがオープン。昨年秋には、ソーホーに、今年冬には、ブルックリンとワシントンと次々とオープンする。
創立者は、31歳のオードリー・ゲルマンとローレン・カッサンで、二人は大学の同級生。
女性同士が安心して集い人脈作りや仕事ができ、同時に一息つけるコミュニティ作りを目指す。
年会費は、$2350~2700。325平方メートルのスペースには、女性の書いた書籍からなる図書室、会議室、授乳室、シャワー室があり、インテリアはソフトな色彩で統一されている。

広々とした化粧室には女性が創った化粧品が備えられている。現在の会員数は、1500人以上。
会員の待ちリストは約8000人と長い。会員層はミレニアル世代が中心だが、より高齢の会員も募っている。
健康やファッション、育児をテーマにしたイベントから、上院議員をスピーカーとして招く社会的な講義も開催し会員の意識を高めている。昨年の秋には雑誌も創刊した。昨年の11月には、ウィーワークが3200万ドルの出資を主導してニュースにもなった。本来は、競合する2社だが、ザ・ウイングの今後の成長に期待している。
この大型出資はウィーワークの女性重役が決断したことにも注目をしたい。