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アメリカの起業家精神は最近の安定した景気と共に健在である。起業して、自営をする層は、1946年から1964年の間に生まれたベビーブーマー層が全体の24%と、人口最多数のミレニアム世代を上回っている。アメリカ退職者協会(AARP)の統計によると、ベビーブーマー層の4分の3以上が、パートタイム、もしくは、フルタイムで仕事を続けているという。

ベビーブーマーが起業をする理由には、収入の補足や、好きなことを仕事にしていつまでもアクティブでいることが挙げられる。2008年の経済危機以来、人生の次のステップである「引退」について、人生設計を見直すことを迫られたのがこの年齢層でもある。
起業をすることによって、年間に5万ドルから7万5千ドルの収入を得ることを目的にする人が大多数であり、その多くは臨機応変な時間帯で仕事のできる一人体制のビジネスである。IT革新により新しいビジネスへ参入することへの垣根が低くなる一方であることも、高年齢層の起業に拍車をかけている。

55才以上の人たちの起業は趣味や旅行をテーマにしたライフスタイル志向のビジネスが多い。

フィラデルフィア郊外でスタートしたアメリカン・ミュージック・ファニチャー・カンパニーもその一つであり、オーナーの情熱と体験からスタートしたビジネスである。

2013年にダリル・ジェニングスさんが義兄と共に設立した同社は、主に過去50年の間に価値を増大した収集家向けのギターを保管するための収納専門家具作りをしているが、中には10万ドル以上の価値のあるギターもあるという。素材は、すべてアメリカ産。ジェニングさん自身、長年、ギターを演奏し、数多くのギターを収集してきたという根っからのギターの愛好家である。すでに、愛好家の間で知られるメーカーとして認知度を確立している。ビジネスをスタートすることは新しい形のリタイアメントプランであると言えよう。